短信小説『リコへの手紙』
2017年11月8日
おかえりなさいの言葉
今日は明るい月が出ていました。目を月の円形に合わせると、光の一筋がこちらまで長く伸びてくるくらい。空の高いところに雲が浮いていて、そこだけは灰色く、けぶっている。こんな日は、ぐさぐさの心も丸くなる。この社会の中で、いつも「選ばれる側」に立たされ、戦わなければならない人々の心を丸くする。
本当の家へ帰って来たということを知らせるために、月はおかえりなさいを言う。
たぶん、そんな気がする。
マコ
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