2018年1月15日

雪晴れって言ってみたい


リコへ。

一つながりの北の大陸から、雪の子が呼び集められて、風がさらってしまうようにして、雪はこの国へやってきます。北の海の街らしく、今はもう、白くないところを探す方がむずかしいというこの頃です。私の家の近く、四十間堀も全体が凍りついて、ゴルフ場のグリーンみたく、わずかに水のところが残っていて、そこにはカモが閉じ込められています。ご飯を食べる時はどうするのでしょう。寝る時は何を考えて眠るのでしょう。不思議です。

雪の夜が好きです。全体にぱあっと明るくなって、陸と空とがお互いを照らし合う。それは満月の夜みたいに、街を夜から浮かび上がらせるほどの明るさ。「雪晴れ」っていうのは、雪のあとの晴天のことなんだそうだけど、私はこんな夜を「雪晴れ」って言ってみたい。昼のあいだじゅう、大人しくしていた雪の子たちが、今かとばかり輝き出す。北極の圏内にある国の白い夜みたいに、この夜がずうっと続くように思う。大地は太陽を待たずおのずから光り出す。雪たちの晴れの舞台。それが「雪晴れ」なのです。

温かくして。首のところはぜったい。私はこれからホットワインを飲みます。

マコ