2017年4月8日

人間のいない世界の音

リコ。桜がきれいです。ひとところに咲いた桜は、ピンク色をした雲のようで、山に点々とまばらに咲く桜は、しらさぎの空に飛んでいるような桜です。カフェ・クッカの前の往来を人々が並んで歩いていきます。そこは、なんといっても桜の名所で、川沿いに何本もの桜が並んで映えているのですから。

桜のほかに、春の兆しはなんでしょう。今日私は、三羽の鳥が、鳴いて飛んでいくのを聴いたのです。これこそ春の兆しです。でも鳥の声なんて、春を探す気持ちで聴かなければ、聴こえてこなかったのかも知れません。人間の立てる音は、夏でも冬でも変わりなく、車や機械の音なんか、いつだってしています。それに慣れすぎてくると、もうその音しか聴こえなくなる。でももし人間がこの世に現れる前の音を聴くことが出来るとすれば、人間の立てる音は全く聴こえない訳です。風の音、木々の音、鳥、川、雨。人間がいないと仮定して、それらの音に耳を傾けてみる。そこには自然のリズムがあって、ちゃんと春を告げている。春の到来は、音にも現れていたのです。

マコ