今日は講習会が終わって、バスの時間になるまで横浜の友達と会っていました。あのころのことは妙に覚えていて、友人とあうと学生時代のリズムが、懐かしく私の中に甦ってきました。
その帰り道、私は電車の中にいました。今回の東京行きの全ての予定を終えて、後はバスを待つだけです。すると私は、宇宙に投げ出された孤独な宇宙飛行士のように、一人の孤独な旅人でした。その孤独は、寂しい感じじゃなくって、すべてのものから離れている、しかしすべてのものに新しく出会う、その驚きを伴うものだったのです。静かで真っ暗な宇宙空間の中で、ぼんやり青白く光る地球に出会うみたいに、私はこの都市の光景を全く新しいもののように眺めていたのです。
電車はちょうど多摩川を渡るところでした。そのとき私は、素敵な光景を見たのです。最初、それは一組の親子でした。河川敷で、小さい男の子がお父さんにだっこされています。男の子は向こうの空に指をさして、お父さんにその指の先をしめしていました。なんだろう。男の子の指のさす方には、虹がかかっていたのです。反対の空には陽が傾いていました。虹が出るくらいだから、空は静かに暗く、オレンジとグレーの世界が拡がっていました。夕日がこの街を包みます。まるで太陽が、この世界を包み込んで、大切な誰かへのプレゼントにするように。
私はしばらく、ぼんやりしていました。宇宙空間で青白い地球を見た人も、きっとそんな感じなのかもしれません。それは一つの解放でした。世界の美しさに、私は出会ったのです。
もし私たちに見る気さえあれば、こうして世界はふいに、素敵なプレゼントを用意してくれるのだと思います。それだからこそ、この世界を生きていける。そう思いませんか。私は今日の幸せな気持ちをカフェのお客さんに伝えられるよう、明日からまた、仕事に戻りたいと思います。
それじゃあ、またね。
マコ